· 

十字架の見えるテラスから(60)

8月も終わりに近づいて来ました。楽しかった夏休みが終わる寂しさや、不安を感じ始める子ども達もいるかもしれません。私自身、子どもの頃に8月に入ると「まだ夏休みが残っているから大丈夫」と自分に言い聞かせて安心させていた覚えがあります。休みというのはとても嬉しいものですが、一方で終わった時の寂しさや不安を感じる時でもあります。旧約聖書の一番最初に天地創造の物語が書かれています。神様は六日間かけて天地を創造され、七日目に休まれました。神様はなぜ休まれたのだろうかと考えると不思議な気がします。神様もお疲れになるのでしょうか。恐らく神様の休息は、私たち人間に休むことの大切さを示されるためだったのだと思います。働くということも人間が生きるのに大切なことです。しかし、働き続けていれば人間は働くことしか考えることができなくなってしまいます。神様は天地創造でご自分がお造りになったものをすべて思いつつ休まれたのではないでしょうか。そして全て良くできたと改めて思われたのではないでしょうか。私たちも働き続けるのではなく、休むことで自分のしてきたことを振り返ります。その時にダメだったと思うのではなく、全ては良かったと思うために与えられているのが休みではないでしょうか。休みに自分をダメだと思ってしまえば、休みではなくなってしまいます。ぜひ休みには、神様が七日目に休まれた時この世界を良いものとして造ってくださったことを覚えていただきたいと思います。造られた良いものの中に、私たちも含まれているのです。「神はお造りになったすべてのものを御覧になった。見よ、それは極めて良かった。」創世記1章31節