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十字架の見えるテラスから(65)

10月になり、最初の日曜日を迎えました。暑さと寒さを感じながら、今年も残すところ三ヶ月となりました。教会では、クリスマスの準備を始めています。コロナウィルスの流行が始まってから、三回目のクリスマスを迎えます。終わりが見えるようで見えない状況に疲れを感じておられる方も多いと思います。戦争の終わりも見えないなかで、私たちは今年のクリスマスをどのように迎えるべきなのでしょうか。全世界の教会が悩みつつ準備の時を過ごしていることと思います。そのような時に、神様が私たちに求めておられるのは、もう一度聖書の言葉を聞くことです。「マリアは月が満ちて、初めての子を産み、布にくるんで飼い葉桶に寝かせた。宿屋には彼らの泊まる場所がなかったからである。(ルカによる福音書2章7節)クリスマスにお生まれになったイエス様は、この世に生まれてすぐに休まる場所さえありませんでした。私たちは、地上に休まる場所をいつも求めます。しかし、イエス様にも休まる場所がなかったように、私たちにも本当の平安は地上では与えられないのだと思います。だからこそ、天にある神様とともにある平安を信じて、地上の生活の不安や忙しさ、苦悩や病を祈りつつ同じ時代に生きる人たちと必死で生きることが求められているのだと思います。目には見えませんが、イエス様が隣に立ってともに歩んでくださる地上の歩みの先に、真の平安の場所が準備されているのです。