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十字架の見えるテラスから(96)

3月26日 説教要旨 「成就を目指して」

ミカ書6:8    ヘブライ人への手紙5:11~6:12 

 

1)完成を見つめる目

 「成熟を目指して進みましょう」と2節で勧められています。あなたがたは、さらに成長し、より良いものになれると、手紙は励まします。優れた教育者は、生徒の今でなく、将来を見つめます。成長する姿を信じて、忍耐強く教えます。決して諦めないのです。この意味で、神はまさに最良の教育者です。神は、私たちが今は弱くとも、この先にはやがて強いものになると信頼してくださいます。歳を重ねることは、この成熟、完成に向かう道です。成熟という言葉は、コロサイ3:14で「愛を身につけなさい。愛はすべてを完成させる絆です」とある「完成」と同じ言葉です。成熟に向かうとは、完成に向かうことです。人生は、完成に向かう道のりで、私たちは完成に向かって一歩一歩歩んでいきます。

 

2)励まし

 手紙は私たちを励まします:11~14。これは、教育的目的のために書かれる文学形式です。6:9は「愛する人たち」と始まります。厳しい表現の中にも、「愛」があります。この愛は、著者と読者を結びます。手紙は、あなたがたの愛が伝えられ、よく知られていると語っています。愛することにおいて、すでにあなたがたは有名なのだから、自信をもって更にその先に進んで欲しいと、著者は願っています。愛されることは、喜びですが、それ以上に愛することは、大きな喜びです。

 6:4で「光に照らされ」は、洗礼を表します。:5~6は、起こり得ないことを表しています。神の子を再び十字架につけるなど、あり得ない、十字架は一回限りの完全な神の御業です。起こり得ないことを極端な例として示し、手紙は、一度洗礼を受けた者は、光に包まれ、神の恵みから外れることはないと訴えるのです。神は私たちの成長を信じてくださいます。時に迷ってしまっても、神は忍耐し待っておられます。