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十字架の見えるテラスから(106)

4月30日 説教要旨 「地よ、声高く」

イザヤ書65:17~18 ローマの信徒への手紙8:18~25

 

1番「地よ声高く告げ知らせよ。尊きイエスのよみがえりを、死より命へとみちびきたもう。主イエスと共に我ら進まん。」讃美歌326番を作詞したのは、ダマスコのヨハネと呼ばれるギリシャ正教の神学者でした。ギリシャ正教の修道院では、受難節の40日間、断食を繰り返し、イエス様のお苦しみを覚えるそうです。その終わりの日のイースターを迎えたとき、夜明けに「イエスはよみがえられた」と大きな声で宣言がされるのだそうです。これは苦しみの終わりを告げる宣言でもあります。苦しみには終わりがある。そして喜びが始まる。その宣言を行うことはとても大切なことではないでしょうか。

2番「罪にうち勝ち、死を破りて、我らの心解き放つ主。その勝ち歌こそ、全地に満ちて救われしもの共に歌う。」イースターの朝、イエス様のお墓へと向かったマリアは、イエス様を死者が葬られる場所で見つけようとします。しかし、死を破って下さったイエス様は、マリアの心を解き放ち、悲しみから救い出してくださいました。死んだものを前に、息のしない体をさするしかない私たちに、イエス様の復活は、もう一度新しい命に生きる希望を与えてくださったのです。

3番「天よ、喜べ、地よ、たたえよ。造られしもの声合わせよ。主のよみがえりのこの日を祝い、つきぬ喜び、我らたたえん」イエス様の十字架によって、私たちは天への道が開かれました。私たちは地上で生きていても、神様のもとに召されても、神様を讃え、イエス様のご復活を喜び、祝うことができます。5月21日には、毎年行われている墓前祈祷会が行われます。先に召されたみなさんを覚えてお墓でお祈りする時、私たちはいつも、どこにいてもイエス様によってつながり合っていることを感じます。天でも喜びがあり、地でも喜びがある。イエス様の復活の出来事は、私たちに尽きることのない喜びを与えるものです。

 私たちの日々の歩みは喜びばかりではありません。しかし、神様は、私たちを喜び楽しむものとしてもう一度変えてくださると言われました。神様は私たちが目では見ることができない素晴らしい未来を見ておられて、言葉によって伝えてくださいます。