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十字架の見えるテラスから(139)

9月3日 説教要旨 「神の約束にしがみつく」 創世記22:1~14 ヘブライ人への手紙11:17~22

2つの秘訣 ヘブライ人への手紙は、逆境の時代に書かれたことがわかる箇所が いくつかあります。2:1「押し流されてしまう」は、滅びる、すべり 落ちるという意味です。脇に逸れて、本来の道から外れるさまです。 2:16~18は、試練の中にいる読者に、キリストが試練の中でとも に居てくださると語ります。3:12はさらにストレートで、神さまか ら離れ、信仰を失ってしまわないようにと語っています。 信仰から離れる誘惑と戦うために、3:13、14は2つの秘訣を語 ります。1)励まし合うこと。信仰生活には、ともに祈りあい、支え あう仲間が必要です。2)最初の確信に常に立ち返ること。洗礼の日 の記憶を大切にし、自分がキリストの十字架のよって救われたことの 喜びを思い出すことです。  

神の備えに生きる ヘブライ人への手紙は11章で読者に、まずわたしたちの目の前のも のの順位を下げることを勧めます。わたしたちは、あまりに日常に埋 没しすぎで、そのなかで一喜一憂してはいないでしょうか。 この世界は神の言葉によって創られたのであり、全てが神のご支配 の中にあるのだから、心配しないで良いと手紙は語ります。信仰がな ぜ必要かといえば、見えない事実に気がつくことができるからです。 神のご支配を、具体的な形で「見る」ことは難しいけれども、それは 確かにわたしに働いていると「確信し」て生きる、それが信仰です。 11:4から旧約にある人物をあげていきますが、その代表はアブラ ハムです。目に見えないことを確認する事実として、アブラハムのイ サクをささげる物語が挙げられます。創世記22:8と:14で繰り返し 「神の備え」について語られます。危機の中で、神さまは救いの道を 用意していてくださる、それを信じることが信仰の一歩です。