· 

十字架の見えるテラスから(153)

10月22日 説教要旨 「勇気と感謝で」 ハガイ書2:1~9 ヘブライ人への手紙12:25~29

ハガイの生涯とその最後 ハガイ書には、詳細に出来事が起こった年代と日付を記していま す。神さまの恵みを書き留めて後代に伝える篤い信仰の書物です。時 代背景は、バビロンから帰還し20年後のイスラエルの様子を描きま す。エルサレム に帰って20年の歳月を経ても、破壊された神殿の再建 はほど遠い状況でした。 ハガイは推測ですが、ソロモンによる最初の神殿を見たことのある 人物でした。70歳を超えていたハガイは、神殿再建に自分の人生の最 後をかけます。私たちは、自分が生きた証、人生の最後をどのように 迎えるのでしょうか。ハガイは、祈りの家である神殿の再建によっ て、自分の人生が祈りそのものであったことを証ししています。 H.ホイヴェルス神父は詩『最上のわざ』で「神は、最後にいちば ん良い仕事を残してくださる、それは祈りだ」と書いています。人生 の最後まで、祈るものでありたいと思います。

勇気を出すこと ハガイは、エルサレムの人々に「勇気を出せ」と繰り返し呼びかけ ています(2:4~5)。繰り返し呼びかけなければならないほど、 イスラエルの人々は自信を失っていました。20年も遅々として進まな い神殿の再建に、希望がなくなり、自信を失っていたのです。 その民にハガイは「わが霊はなおあなたたちの中にとどまってい る」と告げました。民の遅々とした歩みであっても、神さまは受け止 めておられます。だから、恐れず勇気をもって日々歩んでいくので す。6節は、天地が揺れ動くさまが描かれます。変わりゆくこの世界の なかで、変わらない、揺るぎない神さまの愛があるのだというので す。ヘブライ人への手紙は12:26~28で、変わらざる神の愛を語り ます。私たちは、天のみ国の相続者であるのです。