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十字架の見えるテラスから(175)

1月7日 説教要旨 「信じなさい」 創世記15:1~6 ガラテヤの信徒への手紙1:1~5

大切な書物 この手紙は53年頃、今日のトルコの首都アンカラをはじめとする ローマ帝国のガラテヤ州に建てられた教会に宛てて書かれました。新 共同訳の地図NO8をご覧ください。パウロはこの地域にある教会に福 音を語りました。使徒言行録にはパウロの宣教の様子が描かれます。 16:31でパウロは力強く宣言します「主イエスを信じなさい。そうす れば、あなたも家族も救われます」。実にシンプルな言葉です。けれ ども、これで十分なのです。救われるためには、何が必要なのでしょ うか。一生懸命働くことでしょうか。たくさん献金することでしょう か。倫理的に良い人間になって、善行を積むことでしょうか。違いま す。ただ主イエスを信じる、それだけで良いのです。

パウロの、わたしたちの確信 この手紙は、他のパウロの手紙にはない激しい調子で始まります (1:1)。パウロは自分が神とキリストによって使徒とされたと書き ます。パウロは自分はイエス・キリストにお会いしたことはないけれ ども、しかし使徒だといいます。自分ほど、イエス・キリストのこと を知っている者はいないと自信を明らかにします。パウロは自分の弱 さを知っており、自分ほどキリストを必要としている者はいないこと を痛感したからです。弱さは、キリストにあっては強さになります。 パウロだけでなく、すべての信仰者に通じます。わたしたちは、イ エスさまに直接お会いしたことはありません。しかし、わたしたちは 出会ました。ペトロの手紙1に次のようにあります「あなたがたは、 キリストを見たことがないのに愛し、今見なくても信じており、言葉 では言い尽くせないすばらしい喜びに満ちあふれています」(1: 8)。目にしていないけれども、出会い、そして救われたのです。それ が信じることの力です。パウロは、それを明らかにしています。