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十字架の見えるテラスから(177)

1月14日 説教要旨 「一つの福音」 サムエル記下11:2~13 ガラテヤの信徒への手紙1:6~10

信仰という軸 10節でパウロは「キリストの僕」と語ります。僕とは「奴隷」とい う言葉です。パウロは好んで、この言葉を使います。キリスト以外の 何者にもしばられない自分を言い表します。それは同じ10節にある 「人の気に入ろうとあくせくしている」と対照的です。 人に取り入ろうとする背後には、何かのうしろめたさや、自信のな さ、下心が見え隠れします。サムエル記下11章は、ダビデの罪を描き ます。ダビデは自分の過ちを取り繕うために、贈り物でウリヤに取り 入ろうとします。そしてそれが実現しないと、手のひらを返し、彼を 見殺しにするように命令します。これが人に左右され、「あくせく」 する人間の姿です。 信仰を持つことは、人生に不可欠です。神さまという一本通った軸 を持つと、わたしたちは、人に左右されなくなります。うしろめたさ も、自信のなさも、神を知ると、捨ててしまえるのです。神さまが見 ていてくださるので、心が軽くなります。自由になるのです。

自由を明らかに わたしたちを縛るものとの戦いが、この手紙の大きなテーマです。 パウロは「福音を覆そうとしている」7節という表現で、私たちを縛る ものを語ります。塚本訳では「福音を福音でないものにひっくりかえ そうとしている」とあります。救われるために、律法を守る必要があ る、これが当時ガラテヤの教会を混乱に陥れていた人々(ユダヤ教の 影響を強く受けた信者たち)でした。過去のことではありません。カ ルト教団のやり口が明らかにされました。救われるためには、多額の 献金や奉仕が必要だという教えにしばられ、生活や家族が崩壊してい く、そのようなさまに心が痛み、憤りを感じました。福音は、私たち を自由へと導くものです。真の福音を知ることが、大切です。